第2部 顔の見える作り手たち(2) 山本英明・滝村弘美・角偉三郎
高森 漆のものが日常の食卓に沢山ありすぎると「うるさいな、重苦しいな」と感じることがあります。私は、磁器も陶器も程よく混ざっているのが日常的には心地いいと思っています。いくら漆の応援団でも、「全部の食器をぬりものに」と言うつもりはありません。 小川 そう思いますよ、僕も! 高森さんはどういう使い方をしていますか? 高森 滝村さんの器は、いくつか食卓に並んでもあんまり鬱陶しくないなという気がしています。大きな栃のボウルにサラダを入れたりフルーツを盛ったり冷や奴を入れたりして、取り皿的なサイズのものは銘々が使う。そんな取り合わせが好きです。 小川 そうですか。僕が高森さんとちょっと違うのは、滝村さんの器は一種類あるのがいいと思う。例えば、丸い二段重ねのお弁当箱とか四角の小さいお重とか。持って出かけるというより、食卓でオードヴル的な出し方をするんです。ワインを飲む時のつまみになるようなパテやチーズやキッシュやラタトゥイユを盛り合わせるのはどうですか。すごく好きだから一点使いをしたい。 高森 そういう使い方もいいですね。 小川 普段使いアイテムからは外れて今回のテーマとは相容れないのですが、酒注ぎは素晴らしい。日常的には使いにくいかもしれないけど、ああいうオーセンティックなものもたまには欲しいと思います。もちろん金銭的な余裕があったら、ということですが……。 ・ ・ ・ ・ ・ |